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2017.5.2

「遺言書」と「養子縁組の離縁」関係について

こんにちは!株式会社縁の山田です。

本日のコラムでは「遺言書」に関するお話を少々……。
中でも「養子縁組の離縁」についてお話します。

遺言書については、以下のような民法の規定がございます。

第千二十三条  前の遺言が後の遺言と抵触するときは、その抵触する部分については、後の遺言で前の遺言を撤回したものとみなす。

2  前項の規定は、遺言が遺言後の生前処分その他の法律行為と抵触する場合について準用する。

この規定は、遺言書を作成した方の最終意思、すなわち、ご生前における最後のお考えに基づいて、遺言書を作成した方の財産の行方が決められるべきだ、という趣旨から設けられています。

特に、2項では、遺言書の書き換えが無くても、遺言書の内容と、その後の遺言者の行動とが明らかに矛盾する場合には、矛盾する遺言書の中身を取り消したものとみなすことを認めています。

具体的には、養子縁組をした養親が、養子に対して大半の財産を遺贈する遺言書を作成していた場合に、遺言書の作成後、その養親子が離縁してしまったような場合には、判例は、遺言が取り消されたものとみなすことを認めています。

すなわち、遺言者(養親)は、亡くなるまで受遺者(養子)から扶養を受けることを前提として、受遺者と養子縁組をしたのだろうから、この離縁は明らかに遺言書の内容と両立しない趣旨のもとになされた、と考えるわけです。

遺言者の生前の意思を推し量るのは難しいですが、生前の遺言者の行動と遺言内容があまりに明白に矛盾するような場合には、遺言自体が取り消されることになりますから、気をつけましょう。

その他、遺言や養子縁組にかかわらず、相続に関しては様々な注意点・留意点が出てきます。
一般人にとってはなかなかに複雑な制度を複数適応しないといけない場合もしばしばですので、
相続といった問題に直面した際には、まずはじめにご自身の置かれた状況を知るためにも、専門家へご相談されることをオススメいたします。

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