こんにちは。株式会社縁の山田です。
本日は、新たに「相続放棄」について最高裁判所が示した初判断についてご紹介します。
これから相続のご準備に入られる方は、一度ご自身のケースに当てはまるかどうか、ご確認いただきながら読んでみてください。
さて、まずは今回の裁判事例からご紹介します。
■事例
原告は新潟県の女性でした。多額の債務を抱えていた伯父が亡くなったものの、その子どもらが相続放棄したため、 弟である女性の父親が相続人となりました。
父親は相続人になったことを知らないまま熟慮期間中の2012年10月に亡くなり、 女性が伯父の債務を引き継ぐ形となりました。
女性は伯父の家族と疎遠だったため、 15年11月に強制執行の通知を受けて初めて再転相続人になっていたことを知り、16年2月に相続放棄しました。
女性は強制執行しないよう求めた訴訟で、熟慮期間の起算点を「通知が届いた日」と主張し、 債権回収会社は「父親の死亡時」と訴えていました。
【相続放棄】というものについて、前提として知っておいていただきたいのは、【自身が相続人であることを知った日から三ヶ月以内に行わなければならない】という期間の定めです。
今回のケースでは原告の女性が叔父の相続人であることを知った日がいつになるのかという点が争われた事例です。 最高裁判所は下記のように判断をしました。
■最高裁判所の判断
女性が再転相続人になったことを知った時点(通知が届いた日)を起算点にすべき」
従来の法解釈では親族の債務に関する子どもの認識にかかわらず、 親の死亡を知った時点を熟慮期間の起算点とするのが通説でした。
しかし、再転相続で相続人になったことを知らないまま熟慮期間が始まるとすると、 相続を認めるか放棄するかを選ぶ機会を保障する民法の規定の趣旨に反すると最高裁判所は指摘し、上記の判断が下されました。
今回の最高裁判断により、身に覚えのない親族の債務の再転相続人になった場合に、 相続放棄が認められる余地が広がる可能性があります。
もしも、突然ご親戚の債務についての弁済を求められた際は、まずは速やかに専門家に相談されることをおすすめします。
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初回相談は無料ですので、お気軽にご活用くださいませ。