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2016.10.14

生前贈与ってなに?

こんにちは。株式会社縁の山田です。
本日は「生前贈与」についてのお話です。

少しでも「相続」について意識を向けたことのある人なら、「生前贈与」という言葉は耳に入っているのではないでしょうか?
しかし、具体的に「生前贈与」とは何なのか?
何をもって「生前贈与」として認められる/制度として適応されるのか? という基本的なことはご存じない場合もしばしば。
本日はその「生前贈与」についてのお話です。

そもそも、「生前贈与」とは、死ぬ前に自分の財産を他人に無償で分け与えることです。

民法 (贈与)
第五百四十九条  贈与は、当事者の一方が自己の財産を無償で相手方に与える意思を表示し、相手方が受諾をすることによって、その効力を生ずる

生前贈与は、自分が死んだ後、家族が相続税をあれこれ気にするようになることを避けるための有効な手段の一つです。
次の3つのケースでは、それぞれ非課税枠を利用することができ、生前贈与のメリットを享受できます。

1.配偶者へ自宅を贈与する。
婚姻期間が20年以上の夫婦の間で、居住用不動産又は居住用不動産を取得するための金銭の贈与が行われた場合、基礎控除110万円のほかに最高2,000万円まで控除(配偶者控除)できるという特例があります。

要件は次の通りです。

①夫婦の婚姻期間が20年を過ぎた後に贈与が行われたこと
②配偶者から贈与された財産が、自分が住むための国内の居住用不動産であること又は居住用不動産を取得するための金銭であること
③贈与を受けた年の翌年3月15日までに、贈与により取得した国内の居住用不動産又は贈与を受けた金銭で取得した国内の居住用不動産に、贈与を受けた者が現実に住んでおり、その後も引き続き住む見込みであること

(注) 配偶者控除は同じ配偶者からの贈与については一生に一度しか適用を受けることができません。

2.子供へ住宅購入資金を贈与する。
平成27年1月1日から平成31年6月30日までの間に、父母や祖父母などの直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた受贈者が、贈与を受けた年の翌年3月15日までにその住宅取得等資金を自己の居住の用に供する家屋の新築若しくは取得又はその増改築等の対価に充てて新築若しくは取得又は増改築等をし、その家屋を同日までに自己の居住の用に供したとき又は同日後遅滞なく自己の居住の用に供することが確実であると見込まれるときには、住宅取得等資金のうち一定金額について贈与税が非課税となります。

受贈者、居住用家屋及びその増改築等についてそれぞれ要件があります。

受贈者の要件

①次のいずれかに該当する者であること。
イ 贈与を受けた時に日本国内に住所を有すること。
ロ 贈与を受けた時に日本国内に住所を有しないものの日本国籍を有し、かつ、受贈者又は贈与者がその贈与前5年以内に日本国内に住所を有したことがあること。
ハ 贈与を受けた時に日本国内に住所も日本国籍も有しないが、贈与者が日本国内に住所を有している。

②贈与を受けた時に贈与者の直系卑属であること。
なお、直系卑属とは子や孫などのことですが、子や孫などの配偶者は含まれません。
③贈与を受けた年の1月1において20歳以上であること。
④贈与を受けた年の合計所得金額が2,000万円以下であること。

居住用の家屋の要件
居住用の家屋とは、次の要件を満たす日本国内にある家屋をいいます。
なお、居住の用に供する家屋が二つ以上ある場合には、贈与を受けた者が主として居住の用に供すると認められる一つの家屋に限ります。

イ 家屋の登記簿上の床面積(区分所有の場合には、その区分所有する部分の床面積)が50平方メートル以上240平方メートル以下であること。
ロ 購入する家屋が中古の場合は、次のいずれかの要件を満たす必要があります。
 (イ) 耐火建築物である家屋の場合は、その家屋の取得の日以前25年以内に建築されたものであること。
 (ロ) 耐火建築物以外の家屋の場合は、その家屋の取得の日以前20年以内に建築されたものであること。
 (ハ) 地震に対する安全性に係る基準に適合するものとして、一定の「耐震基準適合証明書」、「住宅性能評価書の写し」又は既存住宅売買瑕疵担保責任保険契約が締結されていることを証する書類により証明されたものであること。

 (ニ) (イ)から(ハ)のいずれにも該当しない家屋の場合で、その家屋の取得の日までに同日以降に耐震改修工事を行うことについて所定の手続きをし、かつ、贈与を受けた年の翌年3月15日までに、その耐震改修によりその住宅用の家屋が耐震基準に適合することとなったことにつき、一定の書類で証明されたものであること
ハ 床面積の2分の1以上に相当する部分が専ら居住の用に供されるものであること。

増改築等の要件
特例の対象となる増改築等とは、贈与を受けた者が日本国内に所有する自己の居住の用に供している家屋について行われる増築、改築、大規模の修繕、大規模の模様替その他の工事のうち一定のもので次の要件を満たすものをいいます。

イ 増改築等の工事に要した費用が100万円以上であること。なお居住用部分の工事費が全体の工事費の2分の1以上でなければなりません。
ロ 増改築等後の家屋の床面積の2分の1以上に相当する部分が専ら居住の用に供されること。
ハ 増改築等後の家屋の登記簿上の床面積(区分所有の場合には、その区分所有する部分の床面積)が50平方メートル以上240平方メートル以下であること。
ニ 増改築等に係る工事が、一定の工事に該当することについて、「確認済証の写し」、「検査済証の写し」又は「増改築等工事証明書」などの書類により証明されたものであること。

3.孫に教育費を贈与する。
平成25年4月1日から平成31年3月31日までの間に、個人(教育資金管理契約を締結する日において30歳未満の者)が、教育資金に充てるため、次の①~③のケースにおいて、その信託受益権、金銭又は金銭等の価額のうち1,500万円までの金額に相当する部分の価額が非課税になります。

①その直系尊属と信託会社との間の教育資金管理契約に基づき信託の受益権を取得した場合
②その直系尊属からの書面による贈与により取得した金銭を教育資金管理契約に基づき銀行等の営業所等において預金若しくは貯金として預入をした場合
③教育資金管理契約に基づきその直系尊属からの書面による贈与により取得した金銭等で証券会社の営業所等において有価証券を購入した場合

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